この記事は【その3】の続きです。
これまでに撮影した映像の中から、GTO-VVVFサウンドが聴ける列車を集めています。
今回の記事に掲載した列車は、次の動画でご覧いただけます。
VVVFインバータ制御が普及し始めたころのGTO素子を搭載した車両は、引退や機器の更新で少しずつ数が減っています。
2024年12月時点で現役の車両を集め、見つけやすさや絶滅危惧度などを格付けしてみました。
動画は3本に分けていますが、記事は6回に分けて投稿します。
京王8000系
京王8000系は、1992年から導入が始まった京王線用の車両で、京王電鉄で初めてVVVFインバータ制御を採用しています。
10両編成14本と8両編成13本が製造されましたが、2013年から始まったリニューアル工事により、原型のGTO-VVVF機器のままで残るのは10両編成4本になっています。
【搭載機器メーカー】日立製作所
【見つけやすさ】中⋯残存数は少ないものの京王線の運行頻度が高いのでよく見かける印象
【絶滅危惧度】高⋯制御機器の更新工事が継続中
10両編成は、かつて6両と4両に分割可能な構成になっていましたが、リニューアル工事において中間運転台が撤去されたため、現在は固定編成になっています。
機器未更新で残る8713編成はかつての「グリーン車両(2010系など)」を彷彿とさせる緑色のラッピングが施された「高尾山トレイン」になっています。
京王8000系 機器未更新 GTO-VVVF車の動画は、下のリンクからご覧いただけます。
YouTubeの動画では、北野駅、京王片倉駅、京王稲田堤駅などに到着、出発する8000系を収録しています。
南海2000系
南海2000系は1990年に登場した車両で、南海初のVVVFインバータ制御を採用した形式です。
他の南海の通勤車両(20m級)よりも短い17m級の車体で、なんば駅から橋本駅〜極楽橋駅間の山岳区間に直通が可能です。
南海2000系のVVVFサウンドは他では聴くことのない重厚な音がしますので、動画でお確かめいただければと思います。
【搭載機器メーカー】日立製作所
【見つけやすさ】高⋯高野線の急行、南海線の支線などで運用中
【絶滅危惧度】低⋯機器の更新や引退の発表はなし
前面に「2扉車」を表示して南海線の普通でも運用されていましたが、2024年12月21日のダイヤ改正後、時刻表から「2扉車」の表示が消えているようで、運用がなくなるのかもしれません。
一方で支線で運用されている旧型の2200系が2025年3月に引退することが発表されたため、支線での2000系を見る機会は増えるかと思います。
VVVFサウンド聴き比べ 南海2000系 南海1000系の動画は、下のリンクからご覧いただけます。
YouTubeの動画では、同じ日立製作所製の機器を搭載していても走行音が異なる南海2000系と1000系を収録しています。
京成3700形
京成3700形は1991年に登場した車両で、非対称の前面スタイルに変わり、旧来の京成スタイルから脱却しています。
3200形の試験車両やAE100形2代目スカイライナーに続き、通勤車両では初めて本格的にVVVFインバータ制御を採用した車両です。
【搭載機器メーカー】東洋電機
【見つけやすさ】高⋯京成本線、北総線、京急線などで幅広く運用中
【絶滅危惧度】低⋯1本のみ施工された機器更新が他の編成に波及するか不明
2000年に導入された6次車以降、先頭部のフォルムなどがマイナーチェンジされ、標識灯、後部標識灯、急行灯などのライト類の位置や形状が変わっています。
北総鉄道の7300形は京成3700形と共通設計の車両です。
京成3700形とはストライプの配色や、先頭車側面に飛行機の翼をイメージしたスリットが入っているところが異なりますが、走行音は同じです。
2024年に入って3788編成の走行機器がGTO-VVVFからIGBT-VVVFに更新されていますが、他の編成に波及するかは特に発表がありません。
京成3700形 3788編成 機器更新車 北総7300形 北総9800形の動画は、下のリンクからご覧いただけます。
YouTubeの動画では、八千代台駅、京成佐倉駅、新鎌ヶ谷駅などに到着、出発する3700形などを収録しています。
【番外編】OsakaMetro66系
OsakaMetro66系は1990年から導入された堺筋線用の車両で、全18編成のうち12編成がGTO-VVVF機器を搭載していました。
順次リニューアルが進み、2024年3月に出場した66612編成(下記画像)をもってすべて完了しました。
【搭載機器メーカー】日立製作所(東芝・三菱電機)
【見つけやすさ】消滅済み
【絶滅危惧度】消滅済み
今回取り上げた3形式(66系除く)では京王8000系の動向に注目しています。
まだ4本未更新の編成が残っている中、今年度は次の世代の9000系の機器更新が始まりました。
京王電鉄では2026年度までに分割編成を廃止する方針を表明しているため、7000系の置き換えが先行するはずですが、機器更新は今年度で終了かもしれません。
次回記事【その5】では、近鉄1026系、東急1000系、南海1000系、新京成8800形を取り上げます。
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