
5月21日に京成グループの中期経営計画 D2プラン(2025〜2027年度)が発表されたので、その中から鉄道分野に関わりの深い項目を取り上げます。
D2プランの位置づけ
京成グループでは中期経営計画(中計)の上位にあたる「長期経営計画 Dプラン(2022〜2030年度)」を設定し、期間を3つに区切って中計を立てています。
そのうえで、前中計のD1プラン(2021〜2024年度)を「体制整備期」、今中計D2プラン(2025〜2027年度)を「体質変革期」、次期中計D3プランを「ビジョン実現期」と位置づけています。
今年の4月には京成電鉄と新京成電鉄が合併しましたが、これも前中計における体制整備の一環となります。

成田空港の拡充(中計の背景)
京成スカイライナーなどが乗り入れる成田空港では、今後大規模な施設の拡充が予定されています。
具体的には2028年度末をメドにB滑走路の延伸とC滑走路の新設が行われるほか、既存のターミナルを集約した新旅客ターミナルの整備が予定されています。
将来的に空港の利用者は現在の2倍に増加することが見込まれており、今中計ではそれに向けたアクセス列車の強化や車両基地拡充などの準備を進めることになっています。

京成AE形 スカイライナーの動画は、下のリンクからご覧いただけます。
▼クリックして再生

新型有料特急の導入
押上駅と成田空港を結ぶ新たな特急列車の運行が2028年度に始まり、今中計期間中に車両製造などの準備が進められます。
発表された車両のイラストを見たところ、AE形よりも先頭部の傾斜が少なく、貫通路が描かれているようにも見えるので、ホームドアや地下鉄直通に対応しているようにも感じます。
将来的に浅草線や京急線羽田空港駅への直通ができれば、利便性はさらに向上するので実現を期待したいところです。
鉄道コムの記事によると、新しい特急列車は成田スカイアクセス線を経由するとのことで、単線区間の制約などもある中、既存のアクセス特急とのダイヤ調整が気になります。

次期スカイライナー車両の検討
長編成化も視野に入れた次期スカイライナー車両の検討が盛り込まれています。
この10年間でスカイライナーの利用者は2.6倍に増加しているそうで、将来の需要増加を見据えると増発だけでなく長編成化は必須となりそうです。
発表された資料のタイムラインを見ると、2030年度以降の次期長期経営期間中の導入となりそうですが、2010年の登場から約30年が経過する現行AE形の置き換えには妥当な時期となります。

成田空港駅付近の整備
課題認識として「成田湯川駅〜成田空港駅間の単線区間の解消」と「成田空港駅での折り返し機能の改善」の2点が挙げられています。
複線化による列車数の拡大とあわせ、空港駅で京成本線と成田スカイアクセス線の縦列停車を解消し、折り返し機能の拡充を図ることが必要とされています。
新旅客ターミナル整備の動向や用地取得、並行するJR東日本との協議なども必要となりそうで、具体的な工事着手などには触れられていません。

既存路線や施設等の改良
成田空港駅付近の他に、成田スカイアクセス線では線路容量や線形等に課題があることが挙げられています。
具体的な場所は示されていませんが、これらの改良によりさらなる輸送力の増強や速達性の向上が見込めるとのことです。

現在進行中の宗吾車両基地の拡充工事は、2029年3月に新工場が完成する見通しで、あわせて留置線も拡充されるため、旧新京成のくぬぎ山工場・車庫の取り扱いが気になります。

京成本線、金町線、北総線、高砂車庫への入出庫線などが交差する京成高砂駅の施設改良が挙げられています。
具体的には、東京都とともに京成高砂駅から江戸川駅付近までの連続立体交差化の事業化に向けた準備が進められます。
立体化のネックとなる高砂車庫は現在の南東800mほどにある都営高砂住宅付近に移設することが検討されているようです。

省エネ車両3200形の導入(継続)
今年の2月に運用が始まった3200形は中計期間中に90両が導入されます。
中計期間中の鉄道関連の総投資額(車両基地拡充やホームドア整備などを含む)は1,610億円で、3200形の導入が270億円、新型特急車両が100億円の内訳となっています。

短期間にまとまった数が導入されるので、置き換え対象の3400形、3500形、3600形などは一気に姿を消すことになりそうです。

また、旧新京成の車両が置き換え対象に含まれた場合、3200形の松戸線乗り入れが始まるのか、玉突きで3000形などが運用に入るのかも気になります。

京成3200形 2月22日運行開始 3204編成の動画は、下のリンクからご覧いただけます。
▼クリックして再生

以上、京成グループの中期経営計画から鉄道分野に関わりの深い項目を取り上げてみましたが、個人的には3200形90両の導入で置き換え対象となる3500形などの記録を急がなければと思っています。
空港利用者目線では浅草線から成田スカイアクセス線を利用することが多いので、アクセス特急の動向や新設される押上駅からの特急が将来的に地下鉄に直通するのかが気になっています。
成田空港駅付近や京成高砂駅のボトルネックが解消できるのであれば、いずれはスカイライナーと押上線方面の特急を交互に10分おきに運行することも可能になるのではと思います。
今中計は将来の成田空港需要の増加を見据えて、全体的に積極的な取り組みが多く、見ていて楽しい内容でした。
のんてつ nonbiri train geek のYouTubeチャンネルは、下のリンクからお越しください。
のんてつ nonbiri train geek - YouTube
鉄道に関するニュース、車両トピックス、ブログなどを掲載するサイト
ブログランキングに参加しています
