
台湾の台中、高雄、台北にある保存車両を撮影しています。
台湾の特急列車、普通列車、地下鉄、LRTなどの列車は、次の動画でご覧いただけます。
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前回の記事でご紹介した彰化駅にある扇形機関庫を訪問した後、台中駅に移動しています。

台湾 彰化駅の扇形機関庫とディーゼル機関車は、下記の記事で取り上げています。
彰化駅から台中駅までは区間車(普通列車)で30分ほどで到着します。

台鐵 EMU700型 EMU500型 區間車の動画は、下のリンクからご覧いただけます。
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台中駅は2020年までに高架化され、近代的な駅に生まれ変わっています。

台中市 台中駅鉄道文化園区
高架化された台中駅の横には日本統治時代の1917年に建てられた2代目駅舎が保存されています。
東京駅などを設計した辰野金吾氏の流れをくむレンガ造りの建物です。

駅舎のほか、ホームの一部と線路も保存されており、3つの車両が展示されています。

EMU100型は、1978年から導入された特急(自強号)用の車両です。
時速120kmで走行可能なイギリス製の吊り掛け式電車で、台北駅と台湾南部の高雄駅間を当時最速の4時間10分で結んだそうです。

DR2700型は1966年に導入された特急用ディーゼルカーで、台湾初のオールステンレス車両です。

東急車輛(現J-TREC)製で、東急7200系と同世代になります。

彰化駅の扇形機関庫にも留置されていたR100型は、1970年から導入されたアメリカ製の電気式ディーゼル機関車です。
R111号機が導入当時の紺色に復元のうえ、保存されています。

高雄市 哈瑪星鉄道文化園区
保存車両のある高雄市には、台湾高鐵(新幹線)で移動します。
台北駅から高雄最寄りの左営駅までは、速達タイプの列車で1時間半、各駅停車タイプで2時間ほどかかります。

左営駅からは高雄捷運(地下鉄紅線)に乗り換え、凹子底駅に向かいます。

高雄捷運 地下鉄 MRT シーメンス・モジュラー・メトロの動画は、下のリンクからご覧いただけます。
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凹子底駅で高雄軽軌(ライトレール)に乗り換えます(ライトレールの駅名は愛河之心駅)。

高雄軽軌(ライトレール)は高雄市内を環状に走る路線で、哈瑪星駅で下車します。
ライトレールのほか、美麗島駅で地下鉄橘線に乗り換えてもアクセスすることができます。

保存車両が展示されている「哈瑪星鉄道文化園区」は、哈瑪星駅付近のライトレール線路の左右に広がっています。
高雄ライトレールの車両はバッテリー走行が可能で、哈瑪星駅付近は無架線区間になっています。

高雄軽軌 LRT ライトレール 環状線の動画は、下のリンクからご覧いただけます。
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線路のすぐ脇には蒸気機関車が2両保存されています。
前の機関車は日本の9600形に相当するDT580型、後ろはC55形に相当するCT250型で、どちらも戦前に日本で製造されたものです。
C55形は日本国内でも4両が保存されているのみで、貴重な存在です。

DR2900型は1987年に運用を開始した特急用のディーゼルカーで、2023年まで使用されていました。
このエリアには3両が保存されており、残り2両は最近喫茶店を兼ねたパン屋として生まれ変わっているようです。

L03型は1986年に製造されたディーゼル機関車で、台湾電力の林口発電所で使用されていたものです。

入替え用機関車のDL-1043号機は、貨車と連結されて一部が残されているホームに停車しています。

25C10000型は1939年に日本で製造された車両です。
戦前は乗客と荷物を運ぶ車両として、戦後は荷物や小包などを運ぶ車両として使用されたそうです。

P35H22000型は石炭を運ぶ貨車で、台湾電力の台中龍井石炭貯蔵所と林口火力発電所間で使用されていましたが、日本と同様に現在は自動車輸送に変わっているようです。
1996年製と比較的新しい車両です。

15EC8000型は600両以上が製造された有蓋車です。
下の画像は高雄港駅に配置されていたもので、救援車として使用されていたようです。

30L20000型は1970年に日本で製造された石油タンク車で、2015年に北埔石油廠線(台湾東部の北埔駅から分岐する専用線)が廃止されるまで使用されていました。

哈瑪星(Hamasen)駅付近は高雄臨港線の高雄港駅があった場所で、駅名の由来は日本語の「浜線」がもとになっています。
戦前に開通した高雄臨港線を当時の日本人が「浜線」と呼び、その音に漢字を当てはめて哈瑪星駅となりました。
台北市 台北駅
台北の中心駅、台北駅の駅舎東側にも保存車両2種類が展示されていました、と過去形なのはこの写真の撮影後、2024年12月に展示が終了してしまいました。
LDR2201型は台東線(台湾東部の花蓮駅〜台東駅を結ぶ路線)が762mm幅のナローゲージだった頃に製造されたディーゼルカーです。
日本の湘南型のような前面をしています。

LDK58号機は1918年に導入されたナローゲージ用の蒸気機関車です。

LDR2201型とLDK58号機の台北駅での展示は終了しましたが、現在は高雄市の三塊厝駅前で展示が始まっているようです。
以上、台中駅、高雄・哈瑪星駅、台北駅に保存されている車両を取り上げました。
日本とゆかりの深い車両も多く、いずれも台北市内から新幹線を利用すれば日帰りも十分可能なエリアとなっています。
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