
この記事は【その1】の続きです。
蒸気機関車が運行されている大井川鐵道大井川本線の列車を撮影しています。
前回記事【その1】ではC10形 8号機がけん引するSL列車を、今回記事【その2】では普通列車と新金谷駅に留置されている車両を取り上げています。
今回の記事に掲載した列車は、次の動画でご覧いただけます。
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大井川鐵道には東急や南海など、大手私鉄から譲渡された車両がいくつか在籍していますが、撮影日はもと近鉄の特急車16000系が運用についていました。

抜里駅の前後は茶畑が広がり、見通しがよくなっています。
今回は列車の設定がなく叶いませんでしたが、次の機会にはこの区間を走るSL列車を撮影してみたいと思います。

抜里駅は無人駅となっていますが、駅舎は土日・祝日のみ営業する食堂「サヨばあちゃんの休憩所」を兼ねています。

2往復目のSL上り列車を撮影した後、次の普通列車まで2時間ほど時間があったため、塩郷駅付近にある「塩郷の吊り橋」を訪問しています。
塩郷の吊り橋は1932年に作られた木造の吊り橋で、大井川に架かる吊り橋の中で最も長い全長220mの長さを誇ります。

通行できる部分は板2枚分の幅しかなく、高さも10メートル以上あるので、かなり恐怖感を感じますが、昔は自転車で渡る人もいたそうで、ちょっと信じられません。

吊り橋の下には大井川鐵道の線路が走っていますが、塩郷駅を含む区間は土砂災害の影響で不通となっていて、列車が来ることはありません。
復旧費用の負担などを巡り協議が続いていましたが、先日2028年度をメドに復旧させる方針が報道されました。

大井川鐵道の負担額8億円を静岡県と沿線自治体が支援し、川根温泉笹間渡駅から工事に着手、復旧が完了した区間から徐々に開通させる見通しです。
あと3年ほどでこの区間に列車が戻ってくることになり、よかったです。

大井川に架かる橋を渡る16000系を「道の駅・川根温泉」付近から撮影しています。
道の駅には入浴施設も併設されています。

16000系は近鉄南大阪線・吉野線で運用されていた特急型車両で、大井川鐵道では1997年から運用されています。
3編成が導入されましたが、東急7200系や南海6000系の導入により1本のみが残っています。

16000系は近鉄にもまだ1編成が運用されていますが、22000系などに準じた新塗装に変更されているため、オリジナルカラーは大井川鐵道でのみ見ることができます。
導入にあたっての改造も最小限に留められているので、行先などの表示を除くと昔の近鉄特急そのままの印象です。

新金谷駅の側線には西武から導入されたE31形が旧型客車と連結した状態で停車していました。
こちらもカラーリングは西武時代そのままです。

新金谷駅の駅舎側からは遠くに留置されていた国鉄特急色のE31形を見るために線路の反対側に動しています。
線路の反対側に向かうには踏切を渡って住宅地を迂回する必要があり、徒歩で10分程度かかります。

線路の反対側には公園があり、駅舎側からでは見られない車両を間近で観察することができます。
運転席窓下の銀帯も再現されていて、アップにしてみると本当にEF65形のようです。

東京機関区を示す「東」の区名札も再現されています。

もと南海の6000系と21000系はお休みで、「新金谷」行きの表示がなければ、一昔前の南海の車両基地のようです。

大井川鐵道ウェブサイトに公開されている普通列車の運行予定を見ると、4月、5月ともに16000系と7200系が使用されるようです。
1994年から運行され老朽化が進んでいる21000系はともかく、最近入線したばかりの6000系がなかなか使用されないのは不思議です。

両先頭部にデッキを持つE10形は大井川本線の電化に際して新製された大井川鐵道生え抜きの電気機関車で2両が在籍します。

建屋の横にはパンタグラフが外されたED500形が留置されていました。
車体の傷みが激しいので既に廃車されたものと思ったら、整備途中で作業が中断したままになっているようです。

車庫の最奥部にはもと京阪の3000系が留置されていましたが、既に廃車になっており、倉庫として利用されているようです。

このほか、新金谷駅の側線にはJR西日本から譲渡されたもと「SLやまぐち号」の客車が留置されていましたが、こちらも車体の傷みが激しくなっていました。
運用に入っていなかった7200系は建屋の中に入っており、小さく姿が見えただけでした。
以上、2回に分けて大井川鐵道のSL列車と16000系電車を取り上げました。
撮影は平日だったこともありSL列車の乗客も少なく、普通列車はさらに乗客が少なかったように見受けられました。
沿線に大きな都市もなく、経営は厳しいだろうなと思いますが、そんな中でも平日にSLを2往復も運行してくれるのはありがたい限りです。
不通区間の復旧に向けて資金面のスキームが固まったのも前向きなニュースで、観光客が増えることを願っています。
今回は運行のなかった区間でSL列車を撮影したいので、改めて訪問したいと思います。
YouTubeチャンネルの動画では、C10 8号機がけん引するSL列車と16000系の普通列車などを収録しています。
この記事とあわせてぜひご覧ください。
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