2011年の井の頭線 3000系運行終了 ありがとう3000系フェスタ 3728編成

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前回の記事でアルピコ交通上高地線の3000形(もと京王3000系)を取り上げたので、今回は2011年に引退したオリジナルの京王3000系引退時を振り返ります。

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撮影機材が古いので、画像に粗い点があることをご了承ください。

 

京王3000系は1962年に登場した井の頭線用の車両で、東急7000系、南海6000系とともに日本初のオールステンレス車両の一つです。

高井戸駅

すでに3形式ともに登場から50年以上が経過していますが、南海6000系はまだ高野線で運用中、東急7000系は養老鉄道などに譲渡され現役です。

南海6000系

養老鉄道7700系は今後30年程度使用する予定で、最終的に車齢は80年程度になる見通しです。

養老鉄道7700系

1984年にグリーン車両(初代1000系など)が引退した後、井の頭線は3000系のみで運用されていましたが、1995年から2代目1000系が登場し、3000系の置き換えが始まりました。

京王1000系 高井戸駅

2011年には3000系は3728編成1本のみとなり、同年11月に運用終了しています。

渋谷駅

運用終了後の11月20日に富士見ヶ丘検車区(井の頭線車両の車庫)で、「ありがとう3000系フェスタ」が開催されました。

富士見ヶ丘検車区

運用終了したばかりの3728編成が引退記念サボを取り付けた状態で展示され、車内への立ち入りも可能でした。

富士見ヶ丘検車区

京王3000系は「ステンプラカー」とも呼ばれ、先頭窓まわりの部分はFRP(繊維強化プラスチック)製となっていました。

なお、リニューアル工事の際にワイドな窓に改修されましたが、素材がFRPから普通鋼に変更されています。

富士見ヶ丘検車区

運行終了にあたり取り付けられたサボは、編成の前後でデザインの違うものが用意されていました。

富士見ヶ丘検車区

サボは車体に取り付けられたもののほか、2種類を並べて別途展示もされていました。

富士見ヶ丘検車区

3000系のうち1983年以降に導入された3720〜3729編成は、軽量ステンレス車体を採用するなど、それまでの3000系と細部の仕様が異なっています。

当初側面にストライプはありませんでしたが、リニューアル工事の際に追加されています。

富士見ヶ丘検車区

3000系の運転室は京王線の初代5000系などと異なり非貫通構造のため、ゆったりした機器配置になっています。

クハ3778の運転室

3000系は京王最後の2ハンドル運転台を持つ車両で、3000系の引退後は全てT型ワンハンドル運転台の車両に統一されています。

クハ3778の運転室

18m級3ドア車だった3000系には運転室後方に座席があり、前面展望を楽しむことができました。

現在の京王・井の頭線では全て20m級4ドア車になっているため、このような座席のある車両は存在しません。

クハ3778の運転室

車体幅は2,800mmのワイド幅となっていて、リニューアルの際にホワイトの化粧板とピンク色の座席に交換され、明るい車内になりました。

3000系の車内

側面には戸袋窓が残り、「田の字」窓も京王最後となりました。

座席はリニューアルのときに1人分の座席を区分したバケットシートに交換されています。

3000系の車内

3728編成は先に引退した3729編成とともに1987年に製造された3000系の最終増備車です。

3000系の車内

1987年製のため、京王線の7000系後期型(ビードプレス車体)と同世代となります。

1962年の3000系導入から1987年まで製造が続いたため、京王線の初代5000系、6000系、7000系と同世代の車両が存在しました。

京王7000系後期型

3728編成の車内は井の頭線を走行する3000系を撮影したポスターが掲示されていました。

車内のポスター

1000系登場時と思われる3000系と並んだものもありました。

左からリニューアル前の3000系、リニューアル後の3000系、1000系の順です。

車内のポスター

3000系登場時の懐かしい写真もたくさん用意されており、下の画像は3703編成の登場時に永福町駅で撮影されたものです。

3000系はこの3703編成からワイド車体、両開きドアに仕様が変わっています。

車内のポスター

3701、3702編成は2,700mm幅の車体、片開きドアとなっています。

車内のポスター

3714編成は井の頭線初の冷房車(試作車)として登場した編成で、3715編成とともに屋根上に小型の冷房機を6個搭載しています。

4両編成で登場した後に先頭から2両目のデハ3100形を挿入したため、冷房機の形状が異なっています。

車内のポスター

車内には他社に譲渡された3000系のポスターも飾られていました。

下の画像は北陸鉄道浅野川線に譲渡された車両で、すでに置き換えが進んでおり、残り1編成になっています。

北陸鉄道8000系

下の画像は上毛電気鉄道に譲渡された車両で、もと東京メトロ03系の800形による置き換えが始まりましたが、当面は全車両の引退に至らない見通しです。

上毛電気鉄道700形

岳南電車にはデハ3100形を両運転台に改造した7000形が譲渡されています。

岳南電車7000形

岳南電車では7000形導入の数年後、2両編成の8000形(グリーン)も導入しています。

岳南電車7000形 8000形

松本電気鉄道(現アルピコ交通)には中間車を先頭車化改造した2両編成4本が譲渡されました。

アルピコ交通3000形

前回記事でも触れましたが、後継の20100形導入により、「モハ10形リバイバルカラー」を纏う3003編成が残るのみとなっています。

アルピコ交通3000形(モハ10形リバイバルカラー)

アルピコ交通上高地線20100形 3000形の動画は、下のリンクからご覧いただけます。

▼クリックして再生

伊予鉄道には後期型の3720〜3729編成が譲渡され、電装品をVVVFインバータに交換したうえで運用されています。

伊予鉄道3000系

譲渡時の京王3000系の面影が残るカラーリングはすでに消滅しており、現在はすべてオレンジ一色のカラーリングに変更されています。

伊予鉄道3000系

京王3000系は1000系 5・6次車に置き換えられ、2011年末に引退しました。

京王1000系 5・6次車

同年の3月には京王線の6000系も引退しており、全旅客車両のVVVFインバータ制御化が完了するなど、京王車両の世代交代が一気に進みました。

京王6000系 多摩動物公園駅

3000系、6000系の引退から10年以上が経過し、現在は7000系の廃車が少しずつ進捗しています。

車齢の若い後期型からも廃車が発生し、下の画像の7805編成もこの年明けに廃車回送されました。

京王7000系 狭間駅

来年の今ごろには新型の2000系が登場しているはずで、今後も車両の移り変わりを見守っていきたいと思います。

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