
このブログはYouTubeに公開した動画について、撮影した車両の紹介や撮影ポイントなどを掲載することをメインにしています。
のんてつ nonbiri train geekのYouTubeチャンネルはこちらから
前回の記事でアルピコ交通上高地線の3000形(もと京王3000系)を取り上げたので、今回は2011年に引退したオリジナルの京王3000系引退時を振り返ります。
撮影機材が古いので、画像に粗い点があることをご了承ください。
京王3000系は1962年に登場した井の頭線用の車両で、東急7000系、南海6000系とともに日本初のオールステンレス車両の一つです。

すでに3形式ともに登場から50年以上が経過していますが、南海6000系はまだ高野線で運用中、東急7000系は養老鉄道などに譲渡され現役です。

養老鉄道7700系は今後30年程度使用する予定で、最終的に車齢は80年程度になる見通しです。

1984年にグリーン車両(初代1000系など)が引退した後、井の頭線は3000系のみで運用されていましたが、1995年から2代目1000系が登場し、3000系の置き換えが始まりました。

2011年には3000系は3728編成1本のみとなり、同年11月に運用終了しています。

運用終了後の11月20日に富士見ヶ丘検車区(井の頭線車両の車庫)で、「ありがとう3000系フェスタ」が開催されました。

運用終了したばかりの3728編成が引退記念サボを取り付けた状態で展示され、車内への立ち入りも可能でした。

京王3000系は「ステンプラカー」とも呼ばれ、先頭窓まわりの部分はFRP(繊維強化プラスチック)製となっていました。
なお、リニューアル工事の際にワイドな窓に改修されましたが、素材がFRPから普通鋼に変更されています。

運行終了にあたり取り付けられたサボは、編成の前後でデザインの違うものが用意されていました。

サボは車体に取り付けられたもののほか、2種類を並べて別途展示もされていました。

3000系のうち1983年以降に導入された3720〜3729編成は、軽量ステンレス車体を採用するなど、それまでの3000系と細部の仕様が異なっています。
当初側面にストライプはありませんでしたが、リニューアル工事の際に追加されています。

3000系の運転室は京王線の初代5000系などと異なり非貫通構造のため、ゆったりした機器配置になっています。

3000系は京王最後の2ハンドル運転台を持つ車両で、3000系の引退後は全てT型ワンハンドル運転台の車両に統一されています。

18m級3ドア車だった3000系には運転室後方に座席があり、前面展望を楽しむことができました。
現在の京王・井の頭線では全て20m級4ドア車になっているため、このような座席のある車両は存在しません。

車体幅は2,800mmのワイド幅となっていて、リニューアルの際にホワイトの化粧板とピンク色の座席に交換され、明るい車内になりました。

側面には戸袋窓が残り、「田の字」窓も京王最後となりました。
座席はリニューアルのときに1人分の座席を区分したバケットシートに交換されています。

3728編成は先に引退した3729編成とともに1987年に製造された3000系の最終増備車です。

1987年製のため、京王線の7000系後期型(ビードプレス車体)と同世代となります。
1962年の3000系導入から1987年まで製造が続いたため、京王線の初代5000系、6000系、7000系と同世代の車両が存在しました。

3728編成の車内は井の頭線を走行する3000系を撮影したポスターが掲示されていました。

1000系登場時と思われる3000系と並んだものもありました。
左からリニューアル前の3000系、リニューアル後の3000系、1000系の順です。

3000系登場時の懐かしい写真もたくさん用意されており、下の画像は3703編成の登場時に永福町駅で撮影されたものです。
3000系はこの3703編成からワイド車体、両開きドアに仕様が変わっています。

3701、3702編成は2,700mm幅の車体、片開きドアとなっています。

3714編成は井の頭線初の冷房車(試作車)として登場した編成で、3715編成とともに屋根上に小型の冷房機を6個搭載しています。
4両編成で登場した後に先頭から2両目のデハ3100形を挿入したため、冷房機の形状が異なっています。

車内には他社に譲渡された3000系のポスターも飾られていました。
下の画像は北陸鉄道浅野川線に譲渡された車両で、すでに置き換えが進んでおり、残り1編成になっています。

下の画像は上毛電気鉄道に譲渡された車両で、もと東京メトロ03系の800形による置き換えが始まりましたが、当面は全車両の引退に至らない見通しです。

岳南電車にはデハ3100形を両運転台に改造した7000形が譲渡されています。

岳南電車では7000形導入の数年後、2両編成の8000形(グリーン)も導入しています。

松本電気鉄道(現アルピコ交通)には中間車を先頭車化改造した2両編成4本が譲渡されました。

前回記事でも触れましたが、後継の20100形導入により、「モハ10形リバイバルカラー」を纏う3003編成が残るのみとなっています。

アルピコ交通上高地線20100形 3000形の動画は、下のリンクからご覧いただけます。
▼クリックして再生

伊予鉄道には後期型の3720〜3729編成が譲渡され、電装品をVVVFインバータに交換したうえで運用されています。

譲渡時の京王3000系の面影が残るカラーリングはすでに消滅しており、現在はすべてオレンジ一色のカラーリングに変更されています。

京王3000系は1000系 5・6次車に置き換えられ、2011年末に引退しました。

同年の3月には京王線の6000系も引退しており、全旅客車両のVVVFインバータ制御化が完了するなど、京王車両の世代交代が一気に進みました。

3000系、6000系の引退から10年以上が経過し、現在は7000系の廃車が少しずつ進捗しています。
車齢の若い後期型からも廃車が発生し、下の画像の7805編成もこの年明けに廃車回送されました。

来年の今ごろには新型の2000系が登場しているはずで、今後も車両の移り変わりを見守っていきたいと思います。
のんてつ nonbiri train geek のYouTubeチャンネルは、下のリンクからお越しください。
のんてつ nonbiri train geek - YouTube
鉄道に関するニュース、車両トピックス、ブログなどを掲載するサイト
ブログランキングに参加しています
