前回記事「2012年の阪急電車(神戸線・宝塚線)」に続き、今回は京都線の車両を取り上げます。
前回と今回の記事はYouTube動画の紹介から離れ、過去に撮影した写真(静止画)を使って、撮影当時を振り返っています。
通常の記事の合い間に、このような記事を時々はさんでいこうと思っています。
撮影機材が古いので、画像に粗い点があることをご了承ください。
今回のテーマは「2012年の阪急電車」で、約12年前の車両を主に梅田駅で撮影した写真を使ってご紹介します。
なお、2012年には1300系(2014年から導入)はまだ存在せず、9300系が最新鋭車両でした。
京都線2300系(初代)
初代2300系は1960年に登場し、回生ブレーキや低速運転などの革新的な機能を備え、神戸線・宝塚線用の2000系とともに、「オートカー」の愛称がありました。
また、先頭部のデザインや側面の高さの揃った下降窓など、現在まで続く阪急電車のスタイルを確立した車両でもあります。
同時期に登場した2000系はすでに引退済みでしたが、2300系は7両編成4本が残っており、準急、普通列車などで運用されていました。
ひし形の大きなパンタグラフを先頭に備える最後の車両となり、1300系の導入により2015年3月で引退しています。
2300系という形式は、2024年にデビューしたPRiVACEを連結する新型車両に継承されています。
京都線3300系
3300系は1970年に千里丘陵で開催された大阪万博に備え、1967年から導入された車両で、地下鉄堺筋線への乗り入れに初めて対応した車両でもあります。
撮影当時は全車両が健在でしたが、現在は4本が残るのみとなっており、梅田駅へ顔を出す機会も徐々に減っています。
今後は2代目2300系の導入により、先代の特急車9300系が一般車両に格下げされることから、数年内の引退はほぼ確実です。
京都線5300系
5300系は1972年に登場した車両で、京都線で初めて新製時から冷房を装備しています。
2019年に河原町駅が「京都河原町」駅に改称されたため、現在「河原町」行きの表示は見られなくなっています。
現在の行き先表示は「京都河原町」のため、字の大きさが小さくなっています。
神戸線・宝塚線では5100系〜6000系と同世代で、まだまとまった数が在籍しており、アイボリーの塗り分けがないマルーン一色の車両としては、最後まで残る車両となりそうです。
京都線6300系 京とれいん
京都線の2代目特急車6300系は1975年に登場した車両で、通常の特急運用は3代目の9300系に置き換わっており、「京とれいん」のみが本線で走っていました。
6300系は2か所のドアを両端に寄せ、客室を広く取っていたため、先代の特急車2800系のような3ドア化改造はできず、早めの引退となってしまいました。
現在まで続く、肩の部分をアイボリーに塗り分ける塗装は6300系が始まりです。
京とれいん車内の横2席と1席の配置になっていて、今年サービスを開始したPRiVACEの車内につながっているように感じます。
京とれいんはドアの位置が他形式と揃っていないためホームドアの支障となり、後継の7000系「京とれいん雅楽」に道を譲って2022年末で引退しています。
京都線7300系
7300系は1982年から運行を開始した車両で、1編成がリニューアルを受けていましたが、まだまだ原型の先頭部の方が多数派でした。
千里線の終点、北千里駅ホームの奥には2本の留置線があり、日中休憩中の車両が停まっていることがあります。
千里線と直通する地下鉄堺筋線の車両66系は、撮影当時まだリニューアルが始まっておらず、すべての編成が導入当初の姿を保っていました。
京都線8300系
8300系は1989年から導入され、京都線で初めて本格的にVVVFインバータ制御を採用し、前面デザインもフルモデルチェンジされた車両です。
8300系の機器更新やリニューアルはまだ始まっておらず、車号が前面貫通路にある原型スタイルを保っていました。
表示器がLEDの車両もなく、屋根上のエアコンも原型を保っています。
京都線9300系
9300系は2003年から導入された3代目の京都線用特急車両で、6300系に代わり特急のほとんどに運用されていました。
この12年間あまり変化はありませんでしたが、2024年に入り6編成の大阪梅田側から4両目にPRiVACE車が組み込まれ、見た目にも変化が生じています。
今後すべての特急にPRiVACE車を組み込むため2300系の導入が急ピッチで進み、数年内には特急運用から撤退することが見込まれます。
撮影した2012年は1000系、1300系の導入直前で、宝塚線の3000系、京都線の2300系が本線で最後の活躍をしていました。
2024年は京都線に2代目2300系が導入され、近々神戸線・宝塚線用の2000系も導入される一方、梅田駅で見られる宝塚線5100系、京都線3300系は残りわずかとなっています。
12年前と現在は新車導入と旧型の引退という観点では、非常によく似た状況となっています。
次の12年後を予想すると、新型車両3000系、3300系導入で6000系、5300系引退秒読み、1000系、1300系リニューアルに着手、といった状況でしょうか。
これからも記録を残して、2036年に振り返ることができればと思います。
阪急5300系 3300系の動画は、下のリンクからご覧いただけます。
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